甲骨文字
Shigeki Moro
s-moro @ hanazono.ac.jp
2002年 12月 24日 (火) 11:06:16 JST
師です。遅い反応ですいません。
On Thu, 19 Dec 2002 12:01:23 +0900 (JST)
Yoshi Fujiwara <yfujiwar @ atr.co.jp> san wrote:
> 先ず,字源にたどって表示することと見慣れた部品だけを表示することを比べ
> ると,見る人が感じる感じ方が格段に違う(鑑賞者が想像で補う部分の大きさ)
> ということが最大の理由です.
なるほど、確かにVisualization(特にこの間のセッションで見せてい
ただいたような)では、単なる部首よりも甲骨文字のような「絵」の方
が格段にアピールが違いますね。
しかし、CHISEのIDSデータベースが保持している現代の漢字の分解の仕
方と、甲骨文字の時代の漢字の分解の仕方(というより、あの時代は組
み立てていく時代?)とでは異なるものもあるみたいです。今昔文字鏡
の漢字の分解の仕方は、現代風のへん/つくり etc.. ではなく、甲骨
文字の時代の分解/組み立ての仕方(について、いくつかある説のどれ
か)を採用しているみたいですね。
ですから、本格的にやるとしたら、何らかの典拠に基づいた別のデータ
ベースを作らないといけないのかもしれません。その辺、ちょっと知り
合いに聞いてみます。
> 1. 甲骨の使われていた時代には,今の誰でもどこでも何にでも使える文字と
> いうものではなく,ほんの一握りの人が卜い・主に帝と神との対話の記録
> などに使うためであり,その当時の文化的背景を持たない現代の人びとに
> 提示することに何の意味があるのか.
当時の心象風景がシミュレートできるというのであれば、古典研究者と
しては大いに興味深いです (^_^;;
> 2. 白川 静さんの仕事(特に「字統」)に準拠する方向を侯補として考えていま
> す.論争中の解釈に準拠するということがよいのか.例えば,漢字の部品
> で「口」(くち)と解釈されてきたことが,祝詞や盟書を入れる器と解釈す
> る白川説があります.最終的に何に準拠するにせよ,甲骨にせよ,説文に
> せよ,素人がそれらに準拠することに意味があるのか.
白川先生の仕事に対して批判が多いのも事実ですが、典拠を示して One
of them だよとアピールしておけば、作業をはじめるネタとしては全然
OK なんじゃないでしょうか。
> ところでちょっと変な質問ですが,XEmacs UTF-2000 で,例えば文字オブジェ
> クトに「熱さ(hotness)」という属性を,一部の文字オブジェクトにつけてい
> くということはできるのでしょうか.put-char-attribute ですか.それを保
> 存しておいて,後日または好きな人が誰でも使えるということはできるのでしょ
> うか.
これも何らかの典拠情報(「通説」とかも含めた)といっしょにくっつ
けるべきではないでしょうか。
Shigeki Moro
Hanazono University
s-moro @ hanazono.ac.jp
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