『新字』←→『舊字』関係 (Re: UTF-2000 char-db)
守岡知彦 / MORIOKA Tomohiko
tomo @ mousai.as.wakwak.ne.jp
2003年 1月 20日 (月) 04:52:32 JST
>>>>> In [utf-2000 : No.00331]
>>>>> "江渡さん" = Kouichirou Eto <2003 @ eto.com> wrote:
江渡さん> > 一方、本当の意味での時代別の情報ですが、本質的には、対応関
江渡さん> > 係を書くというよりも、出典・用例を書くという形になるのでは
江渡さん> > ないかと思います。また、高麗大蔵経異体字辞典みたいになると
江渡さん> > かえって使いにくそうなので、標準的な文字データベースでどこ
江渡さん> > まで取り込むべきなのかはなかなか考え所だと思います。ある程
江渡さん> > 度までは取り込むとしても、その他は各種資料のテキスト・デー
江渡さん> > タベースと連動して、そこから用例を自動的に探して来るみたい
江渡さん> > な形が良いんだろうなと思ってるんですが、実際にはいろいろ
江渡さん> > 実験する必要がありそうです。
江渡さん> そうですね。私の興味の範囲だと、説文解字と白川静の字統とかで
江渡さん> しょうか。つまり本当は、甲骨文字を含めて、時代毎の字の変遷が
江渡さん> 辿れるといいと思うのですが。
江渡さん> まぁ難しいですね。
そういうやり方なら簡単だと思いますが、不適切な方法になりかねないので、
用例主義に立ちたいと思うのです。もちろん、一般的な辞書というのは必要だ
とは思うのですが。
ところで、説文的視点と甲骨学的視点の双方を備えた一般向けのコンパクトな
辞書として、ちょっと古いですが「新字源」(角川書店)が割と使いやすいの
ではないかと思います。これは JIS X 0208/0213 にも番号が載っててその点
でも便利です。
;; 小川環樹・貝塚茂樹兄弟に敬意を表してという訳じゃないですが。(^_^;
余談ですが、常用漢字の『簡略な字体』はしばしば宋版で使われてたり、奈
良時代の文書でも見られたりします。場合によっては康煕体に先行するのもあ
るかも知れないかも。とすると、「新字・旧字」という時代変遷的見方は嘘に
なってしまいます。隷書も篆書とほぼ同時代に遡れるかも知れないし、時代性
というよりは実用的な事務用文字 vs. 正式な文字 がもしかすると漢字発生期
からずっと同時並行的に存在してて、それがパソコンの普及によって!?忘れ去
られつつあるという見方の方が妥当かも知れません。ちょっと前の世代の人は
媒体や用途毎に自然に字体を変えることができて、それらを認識できてたよう
なので。それがあまりにも自然だったので、今では別字体に思える差異を昔の
人は認識してなかったりということもあるかも知れません(たとえば、当用漢
字表と常用漢字表を見比べると面白いかも)。今のパソコンのなんちゃって隷
書フォントとかでは明朝の骨格のまま隷書風にしてるのが多いですが、昔の人
は当然書体毎に異なった骨格が自然に書けてそれを同字として認識できてたの
です。
なんだか脈絡がなくなっちゃいましたが、やっぱ歴史は難しいと思います。面
白いけど。
--
tomo.
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