文字と文字列

KAMICHI, Koichi kamichi @ fonts.jp
2003年 2月 13日 (木) 13:52:24 JST


上地です。

>このような仕様のあいまいさを考えると、結局IDSは字形合成のためにも、
>部品による文字指定のためにも使えないのではと思っているところです。
>かろうじて、漢字の字形構造分析には使えるかもという感じ。

私が文字合成をやってきて感じていることは、IDSにかぎらず字形記述方法に
よって記述した文字を一意に(同じものは同じ、違うものは違う)判別する
ことはとても難しいと思います。この「一意」というのが曲者で、結局文
字コードの世界でもコードポイントに割り振られた字は決して一定しません。
ところがコードポイントの数字そのものは一定ですので字が一意になると
錯覚していると私は思います。そういう意味で文字コード以外の手段で
一致の判定は難しく、そういう意味でCHISEの「属性の束」ならびに、
一致度に期待しているところです。

IDSは、そのままでは「字形合成」「字の判別」双方に使えないと思います。
おおよそ、「文字の部品的大まかな特徴を記述する」ぐらいでしょうか。

話は飛びますが、
KAGEは、IDSで指定された文字表現を指示に従って合成するルーチンです。
つまり働という漢字を「イ重力」「イ動」のどちらで表現したとしても
動きます。両者が同じであるかどうかを判別する必要がないためです。
「イ重力」と指定した場合、真ん中の「重」はその位置により
「偏変形の重」に自動変換されます。結果的に両者の見た目は同じように
見えるはずです。(厳密には、結合操作の仕方が違うので画像的に
一致しない)

上地宏一
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KAMICHI, Koichi <kamichi @ fonts.jp>





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